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山口監督直撃インタビュー

>>May 4, 2007

幻想的な映像と、謎が謎を呼ぶストーリーで、オンエア直後から話題騒然の『桃華月憚』。その様々な謎を探るべく! スタジオディーンで作業中の山口祐司監督に突撃取材を敢行しました〜。

社内をくまなく探し、行き着いたところは......屋上!?
少しの肌寒さを残しつつもすっかり春めいた穏やかな空の下、お仕事中の山口監督を発見&確保です! ※監督は屋上がお好きなんだそうです〜。
WEB隊は、屋上まで階段を駆け上ったせいでまだ息が上がっておりますが(汗)、はやる気持ちでお話をおうかがいするのでありました......。
日ごろの運動不足がこんなところに、ガク、監督少し待ってください、ゼイゼイ


--- アニメではオリジナルの物語がドラマチックに展開されるとか?!

ドラマチック......なんですかねーウフフフフ(微笑)。不思議っていう概念のアイテムは何かやろうとしてますけど」

--- ではでは、監督が思う『桃華月憚』の世界ってどんな感じなのですか?

耽美に、優雅に、美しく。あと不思議空間というか」

--- 不思議空間......?

「たとえば、テレビドラマで奇妙系のお話ものとかあるじゃないですか。あれってオチがあるようでないようで、でも何か不思議って......。ああいう空 間ができるといいなぁと思いつつ、今作ってますけどね。奇妙系のドラマってオムニバスでいろんなシチュエーションがあるんだけども、最終的に視聴者が見た テーマっていうか概念っていうのは......なんか不思議......っていう。そういうところですよね」

--- 見終わった後、あれ何だろうっていうような感覚......?

「っていうかね。感想聞く限り、わかんねーって言われてます。ウフフフフ(爆笑)

あはははは(一緒に笑いながら)。<監督すみません。我々も正直まだ謎がいっぱいです!(心の声)


--- ......で、監督の考える耽美とは?

「耽美っていろいろあると思うんですけども。耽美って『恥ずかし美し』みたいな、ですよね? だから、その部分を料理できれば、まぁ、いいかなと。関係者の方に、『山口さん派手ですね』って言われたんですよね」

--- 派手。......演出がってことですか?

「わかんないんです(即答)。ボクはシナリオから取り込んだイメージから、やっただけなんで。おこしたものが、そうなった結果だけであって。そこはボク的にはわかんないんです。だから、それもほら、人の感覚ですから。どこまで、ロジックでいけるものなのかっていうのは。暫定的なものなので、なんとも」

--- 特にこの種の仕事は、シナリオから映像におこすとき、やはり撮り方とか、同じ言葉でもニュアンスによって違うところが......。

「たとえば、皆さんが考えてる、(目をキョロキョロ)(側にあった紅茶の入った紙コップを手に取り)......紅茶っていうものがどういうふうに見えてるかっていうのは、皆さん見え方が違うことなんで。同じ映画を見ても、男性と女性だと全然違うっていうのもあるし。それぞれに感じてとっていただければ......」

--- それは、監督が投げかけた作品に対しての感想......

「とりあえず、料理人としては作りました。おいしいですか? まずいですか? それに対して、私には濃いとか、この味でいけますとか。だから同じものを食 べても、おいしいっていう人もいれば、甘い、辛いって人もいるから。......そういうことだと思うんですよね。だから、非常にこう......曖昧な んですが、この種の商売って、"飯屋"とボクは同じだと思ってるんで

......飯屋と同じ!ポロリ(ウロコが落ちた音)。

「わかりやすく言うと、好み。好みは感性ですから。人のね。好き嫌い、趣味ですから。とりあえず山口の感性、ま、趣味......かも知れませんけども、 それで作らせていただきました。で、おいしいでしょうか?って。でも、わからないって言われたんじゃ、まずいとも言ってないし、おいしいとも言われてな い、みたいな(大爆笑)


--- (笑) わからない、何だろうって思わせるのも1つの手法ですか?

「......1つの手法でしかないと思うんですよ。不思議だなーと思う人もいるし、絵がキレイだなーっていうふうに見てる方もいらっしゃるから、それは人それぞれなんで。うん。こんなんつまんねーよって人も(苦笑)いるし、それはそれなんで」

でも事実として、このスタジオディーンHPでも反響を呼んでるんです。2003年10月 放送開始アニメ『ヤミと帽子と本の旅人』(こちらも山口監督作品)も一緒に! ......ということで、ここからは、『ヤミと帽子と本の旅人』(以下 『ヤミ帽』)と『桃華月憚』とを絡めた(?)お話もおうかがいしていきまーす!

監督<「『ヤミ帽』のことはバリバリ話せると思います。ウフフフフ」

キラーーン(目を輝かせるWEB隊)。では、まだまだ突っ込んでいきますぞ!


--- 『桃華月憚』と『ヤミ帽』は、同じスタッフで制作されているんですが、再結成のキッカケは? やはり気心が知れてる感じですか?

「いやー......もう腐れ縁で しょうかね(爆笑)。もういいよーとか、お互い言い合ってる、みたいな。だから、再結成は単純な理由でしょうねぇ。『ヤミ帽』で組んで、作品の評判がよく て、じゃあまた同じスタッフでっていう自然な流れなんじゃないでしょうかねー......。ただボクは、まずないだろうなって思いながらやってたんで(苦 笑)」

--- でも『ヤミ帽』はいろいろと評判でしたよ!

「皆さんのおかげでねぇ......何とか本当に私みたいな若輩者がですねぇ、何にもせずにここまでこれた、みたいな(ペコペコと頭を下げる謙虚な監督)」

--- 『ヤミ帽』と同じく原作が18禁ゲームですので、深夜枠しか流せないようなシーンとかもけっこうあると思うんですが......(ワクワク)。

「特に意識はしてないんですが(微笑)。んーーーーー..................(考え込み)っ、とねぇ、フェチズムっ ていうのにはちょっとこだわってはいますよ。(ニヤリ)概念の1つで。いろんなことに対してのフェチズム。フェチって人それぞれじゃないですか。(笑) フェチズムの研究はしました。たとえば、男性と女性の主観のフェチズムの違いとか、あと体の各所のフェチとか、いろいろ。......ようは、映像として のフェチズムは人それぞれ。人がよれば全員別々なフェチがあると。全員、全然違うと思います。はい。ボクもありますしね、フェチズム。フフフフ......ニヤリ(含み笑い)」

--- 私にもあります、フェチズム(ニヤニヤニヤ)。これだけは譲れないってものが!

「他人に変態って言われようが(ニヤニヤニヤニヤ)私は譲りませんっていう」

......この盛り上がり、フェチについて語り出すと止まりそうにありません(汗)。 企画がうっかり『私の譲れないフェチズム暴露大会』に変更になりそうな勢いなので、ここでストップ! ニマニマニマ......(まだ抑え切れない含み笑い)。

--- 話を『桃華月憚』に戻しまして......。アニメ版のキャラクターを描き分けていく過程も、監督のイメージからですか?

「いや、ボクより......1番苦労なさったのは、シリーズ構成の望月さんだと思うんですよ。彼の構成があったからこそ、描き分けができたんじゃないのかなって気はしますね。概念的なアイデアは出しましたけども、まとめたのは望月さんじゃないかなーと」

--- 『アイキャッチ』とか、『ツヅク』とか、ああいうところにも、そうくるかー! みたいな感想を聞いてますよ!

「これは受け売りなんですが、ボクの......師匠というか先輩にあたる監督さんがいて、その方から教わったんです。"フォーマットに凝りなさい"っ て。だから、今回やってみたフォーマットは『ヤミ帽』のフォーマットとは違うはずなんですよね、組み方が。それはこだわりました。ただしなんです が......『アイキャッチ』と『ツヅク』は偶然の産物です」

なんと! 編集中に偶然できちゃったものだったんだそうです。......と、ここでお話を聞ける時間は終了! うぅ......もっとお話が聞きたいのにぃぃ......あの謎とか......この意味とか......。

監督<「ボクお酒入ると、もっとテンション高くなるよ。ウフフフ(悪魔の笑み)

第2弾インタビューはスタジオディーンじゃない場所(詳細自粛)で行われることが決定しました! ウヒヒヒ......(悪魔の笑み)。
次回はさらなる高テンションで監督に迫ります★ お楽しみに!

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